流産後は気持ちが落ち込み、ふさぎこみがちになります。
そして流産後は、以下のような症状が出ることがあります。
- ふいに涙があふれ、止まらない
- 夜寝られない(寝られても数時間だけ)
- 悪夢を見る
- 絶望感に苛まれる
- 妊娠前、何を楽しみに生きていたか分からなくなる
- 仕事に全く集中できなくなる
- すべてのことにやる気がおきなくなる など…
私は流産を経験しましたが、以上の症状はすべて私に起こったものです。
そしてメンタルクリニックを受診し、先生へこうなった経緯(流産)と上記の症状を伝えたところ、『反応性うつ状態』であると診断されました。
きっと流産を経験された方は上記のような症状が出ることが多く、『反応性うつ』になっている方は少なくないと思います。
この記事では、『反応性うつ』の症状と、症状の改善/緩和方法を詳しく紹介します。
もし多くの症状に当てはまるようでしたら、心療内科やメンタルクリニックを受診し、先生からアドバイスをもらうことをおすすめします。
そして、この記事内容を参考にしながら症状の改善/緩和をして、皆さんの心と体の回復に繋がれば幸いです。
この記事でわかること
- 『反応性うつ』とは何か、うつ病との違い
- 診断されるまでの経緯
- 反応性うつの具体的な症状20つ
『反応性うつ』とは?
反応性うつ病とは、何かはっきりした原因をきっかけにうつ状態を呈した場合をいう。
日経メディカル 『「反応性抑うつ」「心因反応」「適応障害」って何だ?』(https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/hosaka/200804/506000.html#:~:text=%E5%8F%8D%E5%BF%9C%E6%80%A7%E3%81%86%E3%81%A4%E7%97%85%E3%81%A8,%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B6%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82)より引用
今回でいうと、何かはっきりした原因=流産ということになります。
つまり、『反応性うつ』とは「流産が原因でうつの状態になっている」ということです。
参考:日本医師会|うつ病・抑うつ状態と、うつの違いってなぁに?(https://www.med.or.jp/dl-med/people/plaza/454.pdf)
私が『反応性うつ』と診断されるまでの経緯【体験談】
メンタルクリニックを受診し『反応性うつ状態』の診断を受けた私ですが、実は当初はメンタルクリニックに行くことに抵抗があり、しばらく受診を拒んでいました。
続いては、そんな私がメンタルクリニックを受診しようと思うようになった経緯をお話ししたいと思います。
…というのも、もしかしたら「辛いけど病院には頼りたくない」と私と同じような考えを持っている方もいるのではないかなと思い、そんな方へ「私はメンタルクリニックを受診・通院したことで、心が楽になったよ」ということを伝えたいので、このお話をします。
もちろん病院を受診する/受診しないは、ご自身が決めることですので、あくまで一つの体験談として参考までに読んでいただければと思います。
※流産をされた方は、フラッシュバックするおそれがありますので、自己責任でお読みください。
読みたくない方は、次の「『反応性うつ』の症状20つを紹介」の章(こちら)へジャンプしてください。
<体験談始まり>
私は流産をしたあと、1週間ほど仕事を続けていました。
私は平日フルタイムで働いている会社員ですが、流産をしたのは金曜日でした。金・土・日と泣いて過ごし、月曜日の勤務日を迎えました。
朝一で上司へ流産の報告メールを送り、在宅でいつもどおり仕事をしました。
仕事ができる状態なのか分からず不安でしたが、もともと仕事が忙しくタスクをこなしていかないと終わらない環境だったのと、仕事のことを考えることで気分が多少紛れることもあり、その日はたまに涙を流しながらも朝から深夜まで働きました。
火曜、水曜、木曜と仕事に追われ、いままで通りタスクをこなしていこうとしましたが、メールを書くのに異様に時間がかかったり、気付くと手が止まっていてぼーっとしてしまっていたり、涙が止まらない時間があったり、思うように仕事が進まずタスクが溜まる一方で、仕事をするのが精神的に辛くなっていました。
そんな中、夫から「いままでのような日常生活が送れていないし、仕事中に突然涙が出てきたり仕事が手についていなかったりするのは普通じゃないよ。だからメンタルクリニックに行ってほしい。」と言われました。
確かに、当時の私は常に焦燥感に駆られている状態で、自分でも精神的に辛いと感じていたし、日常生活がままならない状況だということも分かっていましたが、今までメンタルクリニックに無縁だったこともあり、心のどこかで「メンタルクリニックに行くのは本当にヤバくなったとき。どうせ話を聞いてもらうだけで、何も変わらないから、私は行かなくて大丈夫。」そう思っていました。
また、私は会社でキャリアを築きたかったので仕事を続けたい気持ちがありました。だからこそ、メンタルクリニックに行ったら仕事をやめさせられると思い、夫には頑なに「行きたくない」と伝えていました。
そんな考えが変わったのは、金曜日のある出来事がきっかけです。
金曜日に、仕事の進捗報告会がありました。私はボロボロの体と心で、ギリギリながらも大きな仕事をなんとか終わらせ、上司に報告したのですが、上司から「なんでこんなに出来上がりが遅いの?」と言葉がかけられました。流産を知っている上司にです。
そこで、今までなんとか繋がっていた糸がプツンと切れ、「会社のためと思って頑張ったけど、報われないな。もういいや。会社はどうでもいい。この会社でこのまま仕事を続けたら、幸せな生活が潰される。流産を繰り返すことになる。仕事から離れるべきだ。」一瞬でそう思いました。
その日の夜、夫へ「メンタルクリニックを受診する。休職したい。」と伝え、土曜日にメンタルクリニックを受診することにしました。
<体験談終わり>
というように、私がメンタルクリニックの受診を決めたのは、会社での出来事がきっかけでした。
いま振り返ると、当時の私は「体や心よりも仕事が大事」という暗示にかかってしまっていたのだなと思います。
メンタルクリニックでは、以下の内容を先生へ話しました。
- いまの状態に至った経緯(流産のこと)
- いま自身に起こっている症状
- どうしたいか(休職したい)
ちなみに、流産したことを話すとどうしても涙が止まらず、大泣きしながら先生へお話しました。
体験談にも記載したように、私はもともと心のどこかで「メンタルクリニックでは、どうせ話を聞いてもらうだけで、何も変わらない。」と思っていたのですが、それは間違いでした。
なぜかというと、今回の経験に対して自分はこういう風に思っているとか、こういうことが辛いということを実際に順を踏んで口に出して伝えることで自分自身の気持が少し消化できたのと、やはり先生からのコメントや過ごしかたのアドバイスが背中を押してくれたからです。
流産してから、誰にも話せなかった私の思いに、共感してくれ背中を押してくれる
私は、夫や親にも、いま思っていることや、どういうことが辛いかという話をしましたが、私自身も思い付きで喋ったり、相手もやはり温度感が多少違ったり、話が終わる前に途中で口出しされたり、逆に言葉を選んで喋っているのが分かるところもあり、「なんとなく違うんだよな、そうじゃないんだよな…」と少しモヤモヤしていました。
その点、心療内科やメンタルクリニック先生はやはり心の病を診るプロなので、話の聴き方、コメント・アドバイスが的確でした。
また例えば「流産で辛いとき、乗り越えるには流産に向き合った方がいいのか、出来るだけ考えない方がいいのか」など、気になることもすぐ質問できたのはありがたかったです。
という私の経験もあり、少しでも心と体を早く回復させるのために心療内科やメンタルクリニックに通うのは、一つの手だと思います。
『反応性うつ』の症状20つを紹介
続いては、記事タイトルにもなっている『反応性うつ』の症状を紹介します。
冒頭にも、いくつか書きましたが、私は下記のような症状がありました。
<日常生活>
- ふとした瞬間に涙があふれ、止まらない
- 絶望感に苛まれる
- 自分を責めるような思考になる
- 妊娠前、何を楽しみに生きていたか分からなくなる
- すべてのことにやる気がおきなくなる
- 不安感が続く(この気持ちがいつ落ち着くか分からない)
- 倦怠感がある
- なにをしても疲れやすい
- 身だしなみを気にしなくなる
- 明るい将来を想像できない
<仕事>
- 仕事に集中できなくなる(ボーっとしてしまう)
- メールを書いたり、資料を作成する時間が異様にかかる
- 単純なミスが多くなる
<睡眠時>
- 寝つけない(寝ようとすると、流産のことをフラッシュバックする)
- 睡眠が浅い
- 悪夢を見る
ほかにも、下記のような症状が見られることがあるようです。
- 食欲がなくなる
- イライラする
- ものごとへの関心や興味がなくなる
- 自傷行為
もちろん記載できていない症状もありますが、もしもいま上記のような症状がある方は、反応性うつ状態の可能性があります。
うつ状態の場合は、できるだけ早期に改善策をとることが大切です。早期であれば、回復も早くなります。
一方、改善が遅くなると長く辛い期間を過ごすことになってしまうので、辛いと感じたときは我慢せず、症状を自覚して改善するのが望ましいです。